死者の配達人
森村誠一
祥伝社文庫
2002年1月20日
「なんだこれ?」本書を読み終えた率直な感想である。
事件の犯人や概要は一応、明かされる。しかし、謎めいた登場人物二名の思惑は最後まで語られない。事件の「真相」はあまりに偶然が重なり過ぎており、不自然である。これは「本格推理小説」と銘打たれているから、「全て偶然でした」で済むはずはない。謎のままとなっている二名が何かしら働きかけて、偶然が演出されたのではないかと勘繰るのだが、一回読んだだけではよく分からない。
単に読み進めるだけでは「えーっ!」という驚きは無く、ラストシーンも不気味で、スッキリした読後感とは程遠い。主人公は最後、どうなったのだろうか。名探偵コナンのようにトリックや背景が明かされて成る程と手を打つタイプの作品ではないので、そういうものを求める人には不向きである。
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