ポケットモンスターの対戦において、「害悪」はよく用いられるスラングである。害悪はある種の戦術を形容する。害悪と断じてはいるが、決してルール違反を意味せず、マナー違反ですらない。また、単に強い(強すぎる)戦術を意味するのではない。「害悪」とは何なのか。
ポケットモンスターというゲームで、対戦の基本は「相手より早い行動」「相手の防御より強い攻撃」を実現することにある。そのために自分のポケモンを強化し、相手のポケモンを弱体化し、あるいは「場」を変化させて目的を達成する。
この基本に反することが、「害悪」の必要条件である(十分条件ではない)。たとえば「相手の攻撃より強い防御」「相手の行動阻害」を狙うことを主軸とする戦術だ。あくまでもルールに則った戦術であり、それに適するようにデザインされたポケモンや技も多い。なぜ「害悪」とまで言われるのか。
「こちらがやりたい戦術をできなかった」だけでは、理由として弱い。基本通りの正攻法で粉砕されても、こちらの戦術は崩壊する。上記のような戦術が嫌われる主な理由は、「時間がかかる」ことだろう。決定力を欠き、じわじわと追い詰める戦術のため、どうしても対戦時間(=ストレスを感じる時間)が長引くのだ。
とはいえ、あくまでルール内の戦術であり、対策手段も多く用意されているので、特に大きな問題があるわけではない。実際には「害悪」という字面の強さほどには嫌悪されていないようである。
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