画像は鳩です。
著名人が「急性リンパ腫」で亡くなったというニュースがあった。複数の報道機関がそう報じているが、急性リンパ腫 acute lymphomaという病名は存在しないので、何かの間違いだろう。可能性としてまず考えられるのは病名の類似性から急性リンパ性白血病/リンパ芽球性リンパ腫である。
急性リンパ性白血病/リンパ芽球性リンパ腫 acute lymphocytic leukemia/lymphoblastic lymphomaは、リンパ球が悪性化する疾患の一種である。スラッシュで併記される妙な病名であるが、これはそもそも白血病とは何か、リンパ腫とは何かを考える必要がある。
白血病は悪性化した造血細胞が「骨髄」で増殖するものであるのに対し、リンパ腫は「それ以外(特にリンパ節)」で増殖するものである。もともと違う病気と見なされていたが、本質的には重なることが分かり、一部は併記されるようになった。他にも慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫 chronic lymphocytic leukemia/small lymphocytic lymphomaといった具合。
ただ、急性リンパ性白血病/リンパ芽球性リンパ腫は小児に多く、報道されている著名人は高齢者であり典型的ではない。「白血化したリンパ腫」のことではないか、あるいは「agressive lymphoma」ではないか、などと考えることもできる。いずれにせよ正確な病名が明かされていない以上、想像の域を出ない。
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